琉歌集|稲真積節
稲真積節
稲の豊作を祝ってうたったのが始まり。旅に出かけた人や夫の帰りを待ち迎える歌もあり、花風節で見送り、稲真積節で迎えるという巡り合わせを思わせる。
稲の豊作
ことし毛作りやあんきよらさよかて倉に積みあまち真積しやべら
毛作:もづくり。農作物。ここでは稲のこと
真積:まづみ。稲のまま積み重ねたもの。本土では「稲叢(いなむら)」
今年の稲作は非常にみごとな出来ばえで、倉に積みあまして、真積にもしましょう。
旅人の帰りを待つ
うれしさのあまりまことても思まぬもしか思尽す夢やあらね
浦添王子朝熹
うれしさのあまり本当だとは思えない。いつも思い詰めているので夢でも見ているのでは無いか。
今の時代とは違い、一度旅に出てしまうと連絡の取りようが無い。ということは、旅先から帰宅するときは突然「ただいまー」という風に急に帰宅して家人を驚かせるというのが日常だったのでしょう。