琉歌集|まとめ2

琉歌集|目次

1大田名節
2昔田名節
3本田名節
4揚七尺節
5七尺節
6つなぎ節
7御縁節
8昔嘉手久節
9早嘉手久節

 

大田名節

大田名節八首のうち六首までは田名村の子供たちの面影、地勢や風物等。伊平屋島全体の昔を思わせる歌曲です。

大田名の嫁やなりぼしややあすが石原あざ道のふみあぐで

石原(いしやら)あざ道:石ころ道
ふみのあぐて(汲みのあぐて):歩くのに疲れて悩む又は、水汲みの様子とも取れ、水汲みの道中の足元の悪さを表す。

大田名の嫁になりたいけど、朝晩水汲みの道が悪く大変で面倒臭いからどうしたものか。水道も無い時代、若い嫁の朝晩の水汲みの仕事は大事だけど道すがらの大変さを真っ先に考える。今も昔も、まずは損得。恋は盲目とはいかない場合があるものです。

 

昔田名節

里があかいづ羽御衣すらんともてけふのよかる日にかせよかけら

恋人にあげるトンボの羽のようなキレイな着物を作るために今日の吉日に糸を掛けよう。良い日、悪い日があるならば、吉日に始めようみたいな雰囲気。言われないと気が付かないような気遣いも日を選ぶことで表れている。

 

本田名節

伊平屋島の田名村発祥。織物が上手な娘の歌、くり舟で島から島へ渡って恋人に会いたい歌の2首。
くり舟は丸木舟の意味で簡単な作りの舟。ただ、そんな簡易舟だと渡れないのは判っているけど島が近ければ良いのにという気持ち。歌からも表現されているように伊平屋島あたりは波が荒いらしい。

すんねくり舟の行きゆる渡海やればけふや行き拝で明日や来ゆすが

くり舟で行けるところなら今日行って会って、明日にでも帰って来れるけど、そんなに近くないのよね。

ちなみに現在、本島から伊平屋島へは「フェリーいへや」で片道80分。過去にはチャーター便もあったとか。フェリーで80分なので手作り筏で渡るのが無茶なのが理解できるかと。

 

 

揚七尺節

七尺節より高い調子の哀歌2首。どちらも別離の哀傷歌。1首は組曲「本部大主」と「北山敵討」の若按司と妹が別れる時の歌。

涙より外にい言葉やないらぬつめて別れ路の近くなれば

号泣するほか何も言うことができない。いよいよ分かれの時が迫ってくれば悲しくて仕方が無い。

 

 

七尺節

乙女が恋人に二十読の上等な布で御衣を作って差し上げたいという歌と哀憐悲恋、別離等の歌が多い。組曲「手水の縁」「執心鐘入」「伏山敵討」「忠臣身替」「姉妹敵討」などの歌もある。

長さすやあまていぢきやすや足らぬなかずみの一かね肝の寸法

「いぢきやすや足らぬ」短いのは足りない。
「なかずみの一かね」長すぎず短すぎず丁度良い肝心なところ
「肝の寸法」心の物差し

長いのは余り、短いのは足りない。そういうものは何の役にも立たない。長すぎず短すぎず、丁度良い肝心なところを図るのが心の物差しである。

詠み人知らずの歌ですが、上手く歌ったものだと思えます。組曲はどうしても「感情」むき出しみたいなところがあるので歌にも割合、仇討ちの心意気などなど直球。恋の歌も見られますが、ちょっと寂しい。なので、他愛もないところでこの歌詞を取り上げてみました。

 

 

つなぎ節

あたり苧やうみやりはたえん布織やり玉黄金里が御衣よすらね

あたり苧=畑(屋敷内)に植えてある芭蕉から取った糸
うみやり=績むこと(裁縫)
はたえん布=はたいん 一番上等な布の意

上等な布=二十読 読は、たて糸の本数の単位。ちなみに1本だと「片筋」。

畑(敷地)に植えた芭蕉から取った糸で一番上等な布を織って、着物を作ってあげたい。

 

 

御縁節

御縁あて弟ぎやいきやて嬉しさやうちはれて遊べわぬも遊ば

別れ別れになっていた弟達が縁あって再会できたのは大変嬉しい。皆、遠慮無く遊んで欲しいし、自分もハメを外して遊ぼうと思う。

女性の姉妹と男性の兄弟は子供の頃と大人になってからは、兄弟姉妹としての付き合い方が随分違うようです。離れて暮らす兄弟が再会できた時の喜びは想像にあまりあるように思えます。時として、遠い親戚より近くの他人というように、他人以下の疎遠になる場合も。『仲良きことは美しきかな』ですね。

 

 

昔嘉手久節

もいこ花こ花ものも言やむばかり露にうち向かて笑て咲きゆさ

もいこ花=茉莉花(まつり花)ジャスミン
こ花=小さな花

ジャスミンの小さな花が話でもしそうなぐらい沢山、笑みがこぼれるように露を受けて咲いてる。

 

 

早昔嘉手久節

嘉手久思鍋がことづけの煙草またもことづけのむつれ煙草

ことづけの煙草=人に頼んで持たせてくれた煙草
むつれ煙草=いつまでも睦まじく離れがたい煙草
思鍋=おめなべ。ナベ(女性の名前)の愛称

嘉手久(かでく)村の思鍋(ナベ)が、ことづけの煙草を持たせてくれた。また持たせてくれたので離れることができない仲になりそうだ。

雑感
昔、縁のあった人の名前が「ナベ」でした。奄美方面出身でしたが、この早嘉手久節の歌を知り納得です。当の本人は、他所様から鍋蓋の方に受け取られて馬鹿にされるのが嫌だったのか、別に名を持ち名乗っていました。

 

=琉歌集まとめ 目次=
1大田名節
2昔田名節
3本田名節
4揚七尺節
5七尺節
6つなぎ節
7御縁節
8昔嘉手久節
9早嘉手久節

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