琉歌集|まとめ4

琉歌集|目次

1仲間節
2仲順節
3宮城こはでさ節
4屋慶名こはでさ節
5踊こはでさ節
6赤さこはでさ節
7仲村渠節
8大兼久節
9伊集の木節

 

仲間節

全64首。
歌の分類として、浮世は無理せず人情を尽くす。親しい間柄の情。人生の行路難。義理人情。この4種。

あたら身は持ちやりつらさ思なすな苦しみや楽の基だいもの

良き将来を得ようとするなら、現在苦しいことを苦にしない方が良い。現在、遊んでばかり楽してばかり、将来は酷い目に会うことを覚悟せねばならぬ。よき明日は今日作るである。

 

仲順節

月も照りきよらさ花も匂しほらしやおす風もすださ出ぢて遊ば

別離や再会を期待する情を歌う歌詞が多い曲。よく歌われる歌詞としては「別れても互いにご縁あてからや糸に貫く花の散りて退きゆめ」。組曲「手水の縁」の主人公が別れる時に惜別の情を歌ったもの。

 

 

宮城こはでさ節

十尋屋にをても八尋屋にをても肝ど肝さらめ按司も下司も

十尋屋(とひろや)、八尋屋(やひろや):昔の大きい家
肝ど肝さらめ:心が一番大事
按司も下司も:身分の上の者も低い者も

大きい家に住もうが小さい家に住もうが、身分の上下を問わず、心の持ち方が一番大事。人間の価値は、心の良し悪しで決まるものである。宮城島は高離島と呼ばれる方が多い。題名は「宮城」だが、宮城絡みの歌詞は無い。歌詞の内容は、他のこはでさ節とよく似ている。

 

 

屋慶名こはでさ節

やけなこはでさや枝持ちのきよらさおれが下をとて郷が忍で

枝持ちのきよらさ=枝振りがきれい

枝振りの綺麗な屋慶名のこはでさは、恋人と会うには一目に付かず、かといって殺風景な場所でもなく、風光明媚な良い場所である。彼女(彼氏)と会う約束をして行ってみたら、先に来ていて隠れて待っていた。

 

 

踊りこはでさ節

こはでさのお月まどまどど照るゆるよそ目まどはかて忍でいまうれ

まどまどど照るゆる=隙間だけ照らす状態。
まど=隙間
よそ目まどはかて=他所様の目の隙間を見計らって

今風に言うなら、草食系男子にカツを入れる肉食女子が、何をモタモタしてるの?他所様の目が気になるだろうけど、満月でも影になっているところがあるから、その隙を狙っていらっしゃい・・みたいな感じ。「とにかく 知恵使え!」ってことかと。

赤さこはでさは、紅葉しているこはでさ。こはでさは、約23丈(1丈=10尺=約3.03m)にのびる喬木。田舎から御殿へ奉公へ出た娘がありのままの情景を歌ったものや、仇討、自然の歌などがあります。

 

 

赤さこはでさ節

おかけぼさえ御代のしるしあらはれて野山咲く花も匂のしほらしや

おかけぼさえ御代のしるし=繁栄する世。
匂のしほらしや=匂いが素晴らしい。

世の繁栄のしるしが表れて、野や山に咲く花の香りまでとても素晴らしい。暮れゆく人生や恋の歌等。仲村渠は伊江島の旧家。この家の美人の一人娘が恋人と自由に会えなかったのを嘆いたのが本歌。今回取り上げたのは別の歌詞です。

 

仲村渠節

いきやしがな 肝に月の影うつち 歩む道広く照らしぼしやの

いきやしがな=いかにして、どうかして
肝に月の影うつち=心に月の光をうつして。

常に正しい道を歩きたいと思っていても、何かの為に行くべき道を誤ろうとすることがある。それは心の光が鈍くなるから。どうかして、歩く道を広く照らしたいものである。

 

 

大兼久節

名護の村に有名な馬場(大兼久馬場)があり風光明媚な名所。大兼久、名護、他各地の青葉若葉の夏の歌など。組踊りに関する歌も。

名護の大兼久山入端も越えて今帰仁の城なまどつきやる

山入端=やまにゆは 名護間切内の村名。
今帰仁の城=今帰仁間切の親泊村の南方丘上 北山の城があったところ。
つきやる=着いた
歌の中では、武芸の稽古の為、城主を頼って行く組踊「姉妹敵討」の道行歌。

 

 

伊集の木節

伊集の木に咲く花の美しさを歌った1首。辺野喜節より古くできた歌とか。

あの伊集の花やあがきよらさ咲きゆりわぬも伊集やとて真白咲きかな

あがきよらさ=あんなにきれいに
伊集の木の花はあんなに綺麗に咲いて
私もあんなに真っ白に咲きたい。

 

 

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1仲間節
2仲順節
3宮城こはでさ節
4屋慶名こはでさ節
5踊こはでさ節
6赤さこはでさ節
7仲村渠節
8大兼久節
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