琉歌集|まとめ6
琉歌集|目次
1辺野喜節
2やりのこし節
3それかん節
4しゆんだう節
5謝敷節
6長伊平屋節
7特牛節
8久米はんた前節
9中城はんた前
10恩納節
11かぎやで風節
辺野喜節
辺野喜節 全6首
伊集の木の花の美しさを歌ったもの。花以外に松竹の色、飛ぶ鳥の自由さ、国王賛美の歌詞。
飛ぶ鳥のつばさかれば夜夜ごとに通ひ路の空や我が自由やすが
飛ぶ鳥の翼を借りることができれば毎夜、思う人のところへ通う空の路は自由なのだけど。Peach Aviationなら、関西→沖縄¥3,980~。良い時代になりましたね。
やりのこし節
やりのこし節 全2首
美人のお姉さんと、ぶちゃいくな女の会話。その2首では、互いに暴言吐いているような歌です。
おしつれて互に遊びばしやあすがむぢやれ匂高さわかて遊ば
「むぢやれ匂高さ」= あんた達臭いのよ
「わかて遊ば」= 分かれて遊びましょ
一緒に遊びたいけど、あんた達臭いから別々で遊びましょ。直球な歌でなんだかなぁと思います。
それかん節
「夫に捨てられた女」「風車を持って遊ぶ幼児」の2首。
油買うてたばうれじはも買うてたばうれ捨て夫の見る前みなでしやべら
じは=かんざし(ジーファー)
みなで=化粧して着飾る事
髪につける油、かんざしを買っておこう。私を捨てた夫から、着飾って愛を取り戻しましょう。まず、何故捨てられたのかを考えないと。ダメなモノはダメだと諦めも必要だと私は思いますが(^_^;)
しゆんだう節
諸鈍長浜に打ちやり引く波の諸鈍女童の目笑ひ歯茎
諸鈍=大島東間切の潮殿村
諸鈍の長浜に打ち寄せて引く波が白く砕けるのを見ると諸鈍の女の子が笑ってる綺麗な目と白い歯を見る感じがする。ボキャブラリーの少なさというのか笑顔が歯茎で表現しているところなど。当時ならそれが当たり前だったのでしょう。
謝敷節
謝敷節 全17首。
謝敷村の女子の美しさを唄ったり、恋歌 四季折々の風物などの歌があります。
秋の野にのがす鶯のほける春のおもかげの残てをため
のがす=何故?
ほける=さえずる
秋にウグイス? 沖縄の気候がそうさせている光景で、誰も不思議がらない。変化の少ない気候にいると平凡な暮らしになってしまう。
長伊平屋節
長伊平屋節は、伊平屋島に関係する歌が多くゆったりした悠長な感じの曲です。祝宴では欠かさず歌われているようです。
とれの伊平屋・・・・ではなく違う歌詞をピックアップしてみます。
雪の花笠やいらぬものさらめあられ散る玉や袖につつで
雪の降る日の花笠は不要。あられ散る玉を袖に包んで土産にしたい。沖縄で雪?でも、雪と言う言葉が出てくるぐらいですから昔は降雪したことがあったのかなと。
雪=霰(あられ)
著書は1969年初版。解説に「温暖化している」と書いてありますから既にその頃から懸念されていた事では・・。
御前風五節について琉歌集の著者は
かぎやで風 歓喜
恩納節 優美
中城はんた前 華麗
特牛節 荘厳
長伊平屋節 悠長 と記載。
特牛節
おほにしの特牛(こてい)やなざちやらど好きゆるわすた若者や花ど好きゆる
おほにし・・・読谷山間切の古称
特牛・・・強大な牡牛
なざちやら・・・草(種類不明)
牛は草が好きだけど、若者は花(のような女性)が好きなんだ♪という歌意っぽいですね。
久米はんた前節
久米の五葉の松下枝の枕思童むざうや我腕枕
久米島の五葉松は、下枝を枕のようにして横たわっているが恋人は私の腕枕で寝る。
思童むざう・・・彼氏が付き合ってる彼女に対して呼びかける言葉
むざう=無蔵 歌の場合は「んぞ」。
「ん」で始まる曲には発音で苦労しました。先生と「ん」「え?」「ん」「は?」「ん」ってなやり取りが繰り返されたのを思い出します。
中城はんた前
はんた前の下り溝わてどよこす三十ませ三ませ真水こめて
はんた前→久米島の地名
下り→土地が傾斜した所
ませ→田の一角の称
三十ませ三ませ→数のことではなく沢山の田
溝わてよどこす→土地を堀割って給水
久米島の中城はんた前の田園風景を唄ったのがこの曲の始まり。約15首の詩があります。人前で歌うには、歌詞があまりにも華がないので元々の歌は歌われなくなったとか。
恩納節
恩納節
24首。恩納獄を中心とした自然環境にはぐくまれて育った恩納なべが、恋を自由奔放に唄ったのが、この節の起り。他地域の風景、恋歌もあります。
恩納松下に禁止の牌の立ちゆす恋忍ぶまでの禁止やないさめ
※ 禁止の牌・・・禁止事項が書かれた看板
※ ないさめ・・・ないだろう
(歌意)
恩納番所前の松の木の下に看板が立ってるけど、恋はダメって書いてあるまい。
(所感)
掲示板には何が書いてあったのか?今で言うところの「ゴミ捨てるな」とかではないかと。その禁止項目がテンコ盛りだったので、恩納なべが、「恋は関係無いんだから、自由でいいじゃないか」って言いたげな。
かぎやで風節
かぎやで風(ふう)節 30首あります。すべて、祝賀の意を示す歌曲です。国王の前での奏でしたために「御前風節」と別名があります。
お正月には
「あらたまの年に炭とこぶかざて心から姿若くなゆさ」という歌詞で唄います。
(歌意)
新年になると、たんと喜ぶという縁起を祝い、炭と昆布を飾り、心も姿も若くなったような気がするものだ。
あらたま=年・月・夜・春等の枕詞です。
「仲節」の歌詞は、かぎやで風と同じ。
琉歌集|目次
1辺野喜節
2やりのこし節
3それかん節
4しゆんだう節
5謝敷節
6長伊平屋節
7特牛節
8久米はんた前節
9中城はんた前
10恩納節
11かぎやで風節
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